小林古径KOBAYASHI Kokei1883-1957
八重山吹(瓶花)
- 1941(昭和16)
紙本彩色
102.6×60.0cm
古典を基盤にしながら近代的感覚を融合させた新古典主義を築きあげた小林古径。安田靫彦や前田青邨らとともに「再興院展の三羽烏」と称され、戦前から戦後にかけて日本美術院の中核として活躍しました。
この作品は、1941(昭和16)年6月の展覧会に「瓶花」と題して出品され、のちに古径自身によって「八重山吹」と改められました。ゆったりとした形の大徳利が鋭い輪郭線で表され、張りつめた存在感を感じさせます。この古九谷は古径自身が愛蔵していたもので、鮮明に描かれた赤絵が印象的です。さらに、墨で表わされた葉の色彩と、山吹の黄色とのコントラストが冴え、画面に鮮やかさを添えています。