美しさにまごころこめて

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展覧会タイトル

メナード美術館の西洋美術コレクションには、19世紀半ばに活躍した近代絵画のはじまりとされるクールベやマネから、モネ、ゴッホ、アンソール、マティス、ピカソ、マグリット、さらには、それまでの絵画の概念を問い直したウォーホルやリヒターまで、西洋美術を代表する顔ぶれがそろいます。この展覧会は、当館のコレクションから選んだ西洋絵画と彫刻、約80点を紹介するものです。
描かれた風景や作家の心の内、また、用いられた色や形は、作品の前に立つ私たちに美しさへの感動や知的好奇心の刺激をもたらすことがあります。この展覧会では、そのような「心のひびき」に耳をかたむけるようにしてご覧いただき、自身の心と向き合う豊かなひとときをお過ごしください。

会期:2025年4月8日(火)-6月29日(日)
[5/26に一部展示替えを行います]

展示構成

彫刻 ― 人の姿がひびく

先史、古代から現代まで、長きにわたり美術のテーマとされてきた人の姿。ここでは、近代以降の彫刻から、人の姿をかたどった作品を紹介します。
19世紀フランス、それまでの形式的な写実を脱し、モデルの内面にせまる力強い表現を獲得したロダンは、近代彫刻の始祖として多くの彫刻家たちに影響を与えました。そのひとりブールデルは、たくましい骨組みとボリュームによる空間構成の追求で彫刻の新たな道を切り拓きます。一方、マイヨールのなめらかで簡潔な造形は、その後に展開される抽象彫刻へとつながりました。
空間を含めた構成や対象の抽象化は、ムーアやマリーニ、ジャコメッティの作品に、さらに発展した形で見ることができます。
人間をどのようにとらえ、どのように表わすか、という時代を超えた問いに対する作家たちの思考が、これらの作品にうかがいみられます。
作品を前に、自身や身近な人物の姿に思いを馳せることで、私たちも、彼らの思考に触れることができるのではないでしょうか。

オーギュスト・ロダン《バルザック像(最終習作)》
オーギュスト・ロダン
《バルザック像(最終習作)》
1897 
アルベルト・ジャコメッティ《小像(男)》《小像(女)》
アルベルト・ジャコメッティ
《小像(男)》《小像(女)》
1946頃 
マリノ・マリーニ《馬と騎手(街の守護神)》
マリノ・マリーニ
《馬と騎手(街の守護神)》
1949 

印象派とその前後 ― テーマがひびく

19世紀中ごろに活躍したクールベやマネらレアリスムの画家たちの作品や活動は、何をどのように描くかなど、それまでの価値観をゆさぶりました。彼らによって近代美術の道は切り拓かれ、より自由な表現が試みられていきます。とりわけ、明るい色彩など描き方の面でマネから影響を受けたモネら印象派の画家たちは、この流れにおいて重要な役割を果たしました。彼らが、目に映る世界を豊かに描いたのに対し、モローなど象徴主義の画家たちは、見えない内的なものへ関心を向けます。ゴッホやゴーギャン、そして、その後に続く表現主義の画家たちによる作品は、このような流れのなかで生み出されました。
個人的な関心などをもとに、自由に作品が描かれるようになったこの時代、作家たちが選んだテーマには、美しいものへの感動や社会に対する怒りなど、彼らの内に起こった心の動きが想像されます。ここでは、19世紀後半の美術の様式変遷を追いながら、作品一点一点の魅力やそこに込められた思いを、各々のテーマをもとに探ります。

ギュスターヴ・クールベ《デスデモーナの殺害》
ギュスターヴ・クールベ
《デズデモーナの殺害》
1866 
クロード・モネ《チャリング・クロス橋》
クロード・モネ
《チャリング・クロス橋》
1899 
フィンセント・ファン・ゴッホ《石膏トルソ(女)》
フィンセント・ファン・ゴッホ
《石膏トルソ(女)》
1887~88 

フォーヴィスムを中心に ― 色がひびく

1905年秋の展覧会(サロン・ドートンヌ)の一室には、マティスら若き画家たちによる激しい色彩表現を特徴とする作品が並びました。これを見た批評家ルイ・ヴォークセルが発した「フォーヴ(野獣)の檻の中にいるようだ」ということばが、20世紀初頭に起こったフォーヴィスムの名前の由来と言われます。自然の再現にとらわれることなく、自由に色彩を用い、色そのものがもつ表現力による絵画表現を追求したフォーヴィスムの画家たち。彼らの豊かな色彩表現は、1920年代に活躍したエコール・ド・パリの画家ユトリロ、パスキン、キスリングといった、その後の画家たちに、自身の表現に最適な色の探求をうながしました。
豊かな色彩世界は、言語や思想を超え、私たちに語りかけてくるかのようです。

アンリ・マティス《コリウール風景》
アンリ・マティス
《コリウール風景》
1905~06頃 
モーリス・ユトリロ《教会》
モーリス・ユトリロ
《教会》
1913 
ジュール・パスキン《ばら色のリボンの少女》
ジュール・パスキン
《ばら色のリボンの少女》
1926 

キュビスムとその周辺 ― 形がひびく

フォーヴィスムにならぶ20世紀美術のもう一つの革命的変化は、ピカソとブラックにはじまるキュビスムによってもたらされました。遠近法などによる空間表現ではなく、物の形を幾何学的な形としてとらえ、平面の上に組み立てる試みは、絵画とは現実にある形を見たままに描くものである、という常識から画家たちを解放しました。このキュビスムの画家たちの眼差しは、中世美術など過去の美術や同時代の独学の画家が描いた作品に表れる原始的な魅力の発見にもつながりました。
ここでは、キュビスムの作家たちの作品をはじめ、彼らに影響を与えたセザンヌ、同時代を生きたルソーやクレー、また、それ以降の作家による作品を、形に注目して紹介します。形もまた色と同様、言語や思想を超え、私たちの感覚に直接語りかけてくることでしょう。

ポール・セザンヌ《麦藁帽子をかぶった子供》
ポール・セザンヌ
《麦藁帽子をかぶった子供》
1896~1902頃 
パブロ・ピカソ《静物=ローソク・パレットと牡牛の頭》
パブロ・ピカソ
《静物=ローソク・パレットと牡牛の頭》
1938 
ジョルジュ・ブラック《青いテーブルクロス》
ジョルジュ・ブラック
《青いテーブルクロス》
1938 

抽象と具象 ― 自由にひびく

印象派以降、次々と登場した新しい表現によって、さまざまな制約から解放された画家たちは、さらに自由に美術を探求していきました。カンディンスキーらにより抽象的な作品が生みだされる一方、あえて具象に取り組んだド・スタールなどの画家もいました。また、現実に存在する対象を用いながら、私たちの認識とは異なる世界を描きだしたシュルレアリスムのような具象絵画も生まれます。その探求は、第二次世界大戦後のアメリカで展開される美術へ続きます。
これらの作品を前に、作家の意図を正しく汲み取ることのみに注力すると、美術は難解なものとなってしまう可能性があります。しかし、作品が私たちの自由な想像力に開かれたものであるととらえれば、いつか見た風景や音楽、物語を想像することもできるかもしれません。作品に広がる多様で豊かな解釈の可能性に改めて向き合います。

ワシリー・カンディンスキー《切片》
ワシリー・カンディンスキー
《切片》
1929 
ルネ・マグリット《星座》
ルネ・マグリット
《星座》
1942 
ニコラ・ド・スタール《黄色い背景の静物》
ニコラ・ド・スタール
《黄色い背景の静物》
1953 

※ 展示内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。

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