美しさにまごころこめて

日本メナード化粧品株式会社

次回の展覧会 前売券 基本情報 イベント 見どころ

展覧会タイトル

悠久の時の中で 生々 (せいせい)流転(るてん)し、様々な姿や表情を見せる大地。その変化に寄り添い、時には翻弄されながら、かたちづくられる人の営み。本展は、「大地」にまつわる6つのキーワードと共に、当館の日本洋画コレクションに陶芸作品を加えた約40点の作品世界をめぐるものです。果てしなく続く広大な平原、噴煙を上げ生命力豊かにそびえ立つ山容、固く踏みしめられた道、地の恵みとしてもたらされる花や実りなど、「大地」を起点に作品の魅力を紐解きます。
また特集展示では、「大地」のキーワードに関連する作家として、宮崎(しん)の作品をご紹介します。

展示構成  各テーマをクリックすると詳細をご覧いただけます

大地をめぐる6つの断章

第1章 大地と営み

人は日々を大地の上で過ごしていますが、特別な機会がない限り、意識を向けることは稀なのではないでしょうか。一方で、大地が額縁の中に現れる時、私たちは画家と眼差しを重ねることで、ふだんよりも注意深くその様子を観察する機会を得ます。土の色彩、質感、匂い、景観や地形を生み出した時間の堆積など、大地を起点に様々な思いを巡らせることができます。
6つのテーマにより「大地」をめぐる展覧会のはじまりとして、人の営みの場としての大地に着目し、作品をご紹介します。

岸田劉生《道と電信柱》
岸田劉生 
《道と電信柱》
1914 
藤島武二《耕到天》
藤島武二 
《耕到天》
1938 
国吉康雄《女は廃墟を歩く》
国吉康雄 
《女は廃墟を歩く》
1945~46 

第2章 土を味わう

人は太古の昔から、土や石を原料として形をつくり、高い温度を加えることで「やきもの」を生み出し、生活の中で使用してきました。その中でも陶器は、土の性質、焼く前に施される釉薬、焼き上げる温度に応じて、色彩や風合いを豊かに変化させます。
ここでは、工芸コレクションの中から、近代以降に制作された土の表情豊かな陶作品5点を選び、展示します。

加藤唐九郎《黄瀬戸鉦鉢》
加藤唐九郎 
《黄瀬戸鉦鉢》
1956頃 
鈴木五郎《焼〆重筥》
鈴木五郎 
《焼〆重筥》
1993 

第3章 隆起する大地

地殻変動や火山活動などにより地面が海面に対して高くなる「隆起」は、山の形成過程において重要な役割を果たします。日本の付近では、地球の表面を覆う複数の岩盤が押しあったり重なったりして作用しあい、国土の約3/4を占める山地や、活発な地震・火山活動という特徴を生み出しています。
ここでは、大地の旺盛な活動を示す山というモティーフについて、西洋に渡って絵画を学び、大正・昭和に活躍して近代日本を代表する画家となった安井曽太郎と梅原龍三郎の二人の作品に焦点を当て、ご紹介します。

安井曽太郎《焼岳》
安井曽太郎 
《焼岳》
1941 
 
NO IMAGE
梅原龍三郎 
《天地鐘秀》
1952 
個人蔵 特別出品 

第4章 地と足

動物の足の裏には多くの神経や血管が通っており、大地から多くの情報を得ています。生息するフィールドに適応した足により、瞬時に地面の質感や形状を察知し、自身の最適な行動を定めて活動をしています。
本章では、多くの時間を家の庭で過ごし、生活で目にする動物を徹底して観察し、本質に迫るべく単純な形・色へと還元して描いた熊谷守一、足しげく動物園に通って写生に臨んだ須田国太郎の二人の画家を中心に、大地と足に着目して作品をご紹介します。

熊谷守一《牛》
熊谷守一 
《牛》
1956 
須田国太郎《新緑》
須田国太郎 
《新緑》
1945 

第5章 風化

岩石や鉱物は、地表で大気や水にさらされることで次第に壊れ、砂や粘土に変わり、やがて土壌を形成します。ここでは、大地に関連する用語である「風化」ということばを意識し、制作に取り入れた有元利夫の作品をご紹介します。
有元は、フレスコ画や仏像など、古い作品が時間の作用によって質感を獲得することを「風化」と表現し、そこに美を見出して愛好しました。作品制作時には、生み出したばかりの作品が、あたかも既に長い時を経たかのような性質を帯びるよう、様々な手法を凝らして表現しています。当館所蔵の全3点により、有元作品の魅力の一端に触れます。

有元利夫《近ずいた朝》
有元利夫 
《近ずいた朝》
1979 
© Yoko Arimoto
 

第6章 花と実り

土壌には、その性質に適した植物が根づきます。芽吹き、成長し、花が咲き、やがて実りの季節を迎える。大地が育む花や実りは、土地や季節と結びついたものとして、豊かに私たちの生活を彩り、風景画、静物画の画題を画家へ供します。
終戦後に故郷に帰還して、日々の生活を取り戻す中で描かれた香月泰《椿、自宅での療養中、ありふれた果実を目にして、その実在性を表現すべく探求した岸田劉《諸果含秋、主に日常的に食卓に並ぶ蔬菜(そさい)を配置し、その形態を豊かな筆触と色彩の効果と共にあらわした小出楢《卓上の蔬菜。花や実りのモティーフは、平穏に過ぎていく日常と、大地との接点を感じさせるものではないでしょうか。

香月泰男《椿》
香月泰男 
《椿》
1950 
岸田劉生《諸果含秋》
岸田劉生 
《諸果含秋》
1922 
小出楢重
小出楢重 
《卓上の蔬菜》
1930 

特集展示 宮崎進

宮崎(しん)(1922-2018)は、造形活動を通して、人の営みや生命の力強さと向き合い続けた作家です。第二次世界大戦への従軍、そして、シベリアの大地で捕虜として過ごした4年間の体験を経て、作家として本格的に歩み始めました。画業初期となる1950年代から、時を経て戦争体験と向き合い、絵具や麻布の物質感を活かした重厚で抽象的な画面を展開した90年代、2000年代の作品まで、当館所蔵の全20点の作品により作家の姿に迫ります。

宮崎進《Head》
宮崎進 
《Head》
1990 
宮崎進《漂う》
宮崎進 
《漂う》
2006 

西洋絵画名作選

ゴッホ、アンソール、ピカソなど、代表的な所蔵作品約15点を展示します。

ジェームズ・アンソール《仮面の中の自画像》
ジェームズ・アンソール 
《仮面の中の自画像》
1899 

※ 展示内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。

PAGE TOP

メナード美術館

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat

臨時休館について
台風や大雪など天候の状況により、また、お客様の安全や館の運営に支障があると判断される場合は、臨時に休館、開館・閉館時間の変更を行う場合があります。
トップページのトピックスに情報を掲載しますので、ご覧ください。