美術作家たちは、自身が触れた様々な事柄に思考を巡らせ、時に古今東西で生み出された表現とも向き合いながら、新しい「かたち」を創造します。本展は、作家たちによる造形の探求の諸相に着目し、当館が所蔵する近現代の西洋絵画、日本洋画をご紹介するものです。作家の着想が、私たちが目にする一つ一つの「かたち」へと帰結していく、その背景や状況を踏まえ、コレクションの魅力を紐解きます。
また本展では、人物像を主要なモティーフとして、絶えず表現様式を変化させながら造形を探求し続けている作家として、大沼映夫を特集いたします。
展示構成
造形の探求
印象派
近代以降、より一層自由に造形表現が探求され、多様な作品が生まれていく重要なきっかけの一つと位置付けられる「印象派展」。1874年から86年までに計8回、パリで開催されたこの展覧会は、審査を伴うなど、旧来的な価値観の影響下にあった官展(サロン)に対して、新たな作品発表の場を求めた画家たちが独自に組織したものでした。本展では「印象派展」に参加した画家たちの中から、セザンヌ、モネ、スーラの作品をご紹介いたします。
《麦藁帽子をかぶった子供》
1896~1902頃
《チャリング・クロス橋》
1899
マティスとヴラマンク
マティスとヴラマンクは、1905年にパリで開催された展覧会 サロン・ドートンヌに作品を出品しました。激しい色彩を用いて、新しい表現を志した若い画家たちの作品に満ちたその部屋は、批評家から「野獣の檻」にたとえられたほどでした。色彩表現の共通性から、フォーヴィスム(野獣派)の画家として知られることとなった二人ですが、その後は、それぞれの道を歩むこととなります。ここでは、1905年に近い時期に制作された作品とともに、そこから約40年を経て制作した作品を併せて展示いたします。
《コリウール風景》
1905~06頃
《花瓶の花》
1905~06頃
ピカソとミロ
ともにスペイン出身で、20世紀を代表する画家として知られるピカソとミロ。ピカソは、短い期間に大きく造形様式を変化させましたが、本展では、第二次世界大戦中、戦後に描かれた作品2点に焦点を当てます。一方で、少し下の世代となるミロは、シュルレアリスムの画家として認知されています。単純な形態に還元されたモティーフと、赤、青、黄という原色を多用して、詩を紡ぐように、造形活動を行いました。
《コップと酒壷》
1944
《絵画》
1930
裸婦・人体
人の姿を表現することは、多くの文化圏において、造形表現の主要なテーマとして探求されました。人間とは何か、という根源的な問いに対して、近代の日本人作家たちは、西洋の絵画文化の影響を受けながらも、それぞれ自身の答えを模索するかのように、裸婦のジャンルに取り組みました。
《笛吹く児》
1950
《横たわる裸婦》
1927
「私のスタイル」の探求
経済成長とともに、生活スタイルや思考形態が大きく多様化した1990年代、大沼映夫、奥谷博、島田章三、宮崎進は「私が私のスタイルです展」を開催し、時代の状況に応じた絵画の可能性を探求しました。時代の変遷とともに作家たちがおこなう造形の探求の一様相として、この時期に制作された4作家の作品をご紹介いたします。
《波さわぐ日》
1990
《鱪と針千本》
1991
特集展示 大沼映夫 試行と創造の軌跡
人物像を主要なモティーフとして、絶えず表現様式を変化させながら造形を探求し続けている大沼映夫。1960年代から近年に至るまで、約25点の作品により、その軌跡をたどります。
大沼映夫 プロフィール
1933年東京生まれ。東京藝術大学美術学部油画専攻で学んだ後、8年間オランダで活動。帰国後は、国画会を中心に個展、グループ展などで発表を重ねる。同大学の教授、美術学部長を務めたのち、現在も制作を続ける。
ストッキング》
1974
1975
1993
1999
初公開コレクション
2013
初公開コレクション
2016
初公開コレクション
西洋絵画名作選
ゴッホ、アンソールなど、代表的な所蔵作品約15点を展示します。
《石膏トルソ(女)》
1887~88
※ 展示内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。





