ジョルジュ・スーラGeorges SEURAT1859-1891
アンサンブル(サーカスの客寄せ)
- 1887
インク・鉛筆、紙
12.5×19.0cm
都会の夜をほんのり照らすガス灯のもとで、サーカスの客寄せのために繰り広げられる余興とそれに見入る人々。水平線と垂直線を強調し、余興の演者と観衆をくっきりと二分する構図、夜の人工光を捉えようとした精緻な点描法が、整然さとともに影絵のような哀愁あるニュアンスを画面に与えています。
《アニエールの水浴》(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)《グランジャット島の午後》(シカゴ美術館)などで、点描によって外光を画面に再現しようとしたスーラ。初めて夜のガス燈の光に取り組んだ油彩画《ラ・パラード(サーカスの客寄せ)》(メトロポリタン美術館/ニューヨーク)とほぼ同構図で描かれたのが、この小品です。鉛筆でうっすらと引かれたマス目や緻密な黒インクの点描が、二つの作品の関係性を示唆しています。