エドゥワール・マネEdouard MANET1832-1883
黒い帽子のマルタン夫人
- 1881
パステル、カンヴァス
55.5×46.3cm
印象派の画家たちに大きな影響を与え、「近代絵画の父」とも呼ばれるマネ。40歳代半ばを過ぎて身体に不調をきたしてからは、制作に軽便なパステルを用いるようになりました。特に最晩年の2年間に、パリに住む洗練された女性たちの肖像画を多く描いています。
この作品のモデルはボルドー出身のジャンヌ・マルタン。快活な彼女に大いに魅せられたマネは、3点の肖像画(油彩画1点、パステル画2点)を制作しました。この作品は、そのうちの一点です。
画面には、パステルのやわらかな特性を生かした卓越した描写がみられます。ほんのりと化粧された白い肌からバラ色の帽子の飾りにいたるまで、その質感を見事にとらえています。襟の高いドレスと帽子に用いられた黒が、匂い立つような女性の優雅さをいっそう引き立てています。
その他のコレクション -エドゥワール・マネ-
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杖を持つ男(ベラスケスによる)