フィンセント・ファン・ゴッホVincent van GOGH1853-1890
一日の終り(ミレーによる)
- 1889~90
油彩、カンヴァス
72.0 ×94.0 cm
ゴッホは、アルルでのゴーギャンとの共同生活の末、有名な「耳切り事件」を起こして入院し、その後もサン=レミの精神病院に移り療養生活を送ります。その間にも何度か発作に襲われますが、彼のエネルギッシュな創作意欲は失われることはありませんでした。この時期、集中的に取り組んだのが敬愛するミレー作品の模写です。
本作品は、ミレーの複製木版画『一日の四つの時』(ラヴィエイユによる)のうちの《一日の終り》を模写したものです。作業を終えた農夫が帰り支度をする夕暮れ時の情景が粗い描画風の筆触で描かれ、空を彩る黄色と菫色が瑞々しく感じられます。ゴッホは、ミレーの版画に主題や構図を借りながらも独自の色彩表現を追求し、単なる模写を超えた別作品を完成させました。それから約半年後、彼は37歳の若さでピストル自殺を遂げました。
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