クロード・モネClaude MONET1840-1926
チャリング・クロス橋
- 1899
油彩、カンヴァス
65.0×81.0cm
水と光に魅せられた印象派の画家、クロード・モネ。連作〈睡蓮〉や〈積み藁〉では、時間や天候による変化を幾枚ものカンヴァスに捉えていきました。1899年から1901年の3年間は毎年ロンドンに滞在し、深い霧に覆われたテムズ川の風景に取り組みました。
テムズ川にかかるチャリング・クロス橋の連作のほとんどは、太陽が昇り川面に光が差し込む午前中の景観を描いたものです。本作品は、重い霧と柔らかな陽光がグレーとピンクで表現され、淡く微妙な色彩にまとめられています。水面のきらめきと蒸気機関車の煙のたなびきは白色でリズミカルに表されました。こうした描写によって空気の流れが表現され、画面に動きをもたらしています。モネならではの光を感じさせる作品です。