パブロ・ピカソPablo PICASSO1881-1973
静物=ローソク・パレットと牡牛の頭
- 1938
油彩、カンヴァス
97.0×130.0cm
闘牛の国スペインに生まれ育ったピカソにとって、牛は特別な存在でした。とりわけ立派な角を持った牡牛の姿は、闘牛やミノタウロス(ギリシャ神話に登場する牛頭人身の怪物)となり、さまざまな象徴性を帯びて作品に登場します。
1937年、ピカソは故国の内乱に触発され大作《ゲルニカ》(国立ソフィア王妃芸術センター/マドリード)を制作しました。本作品は、その後の第二次大戦前夜における不穏な社会情勢のなか、《ゲルニカ》と同様に牡牛の頭部を主題に描かれた静物画のひとつです。ピカソは、牡牛や静物のモティーフに、不安や死のイメージ、また画家としての誇りと希望といった思いを込めて描きました。牡牛の顔は、さまざまな角度からみたパーツの組み合わせから成り立っており、20世紀初頭、画家がブラックとともに追求したキュビスム的手法がみられます。
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