マルク・シャガールMarc CHAGALL1887-1985
すみれ色の花
- 1943
油彩、カンヴァス
66.0×53.0cm
結婚衣装をまとう二人の周りには、愛の象徴である花、天上の音楽を奏で彼らを祝福する天使、故郷の思い出につながる牛といった、シャガール作品に繰り返し登場するモティーフがみられます。こうしたモティーフが織りなす夢と現実が交錯した世界は、幻想的な色彩によっていっそう高められています。
故国ロシアのユダヤ人地区で芽生えたベラとの愛。シャガールがパリで頭角を現した後、二人はロシアで結婚します。第二次大戦中のナチス迫害からは二人揃ってアメリカへ亡命し、そこで本作品が描かれました。しかし、翌1944年にベラが急死すると、シャガールは約10カ月間制作ができなくなるほど落ち込みます。その後、娘イダと家政婦ヴァヴァの大きな支えによって甦り、最愛の妻と故郷の思い出を重要なテーマとしながら、数々の幻想的な作品を生み出すのでした。
その他のコレクション ーマルク・シャガールー
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神々の大地で
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夏=収穫と落穂拾い