藤島武二FUJISHIMA Takeji1867-1943
西洋婦人像
- 1906~07(明治39~40)
油彩、カンヴァス
38.2×36.1cm
藤島武二が文部省の命によりフランス・イタリアへ留学したのは、38歳の時です。すでに東京美術学校西洋画科助教授の地位にあり、《天平の面影》(石橋美術館)や《蝶》(個人蔵)など明治浪漫主義の頂点を示す傑作を生み出していました。
パリでは歴史画・肖像画を得意とするフェルナン・コルモンに、ローマでは肖像画を得意とするカロリュス・デュランに師事し、あらためて絵画の基礎を学び取りました。年齢的には遅い留学でしたが、フォーヴィスムやキュビスムなどの新しい芸術運動が発生した20世紀初頭のパリに身を置いたことは、画家本人のみならず日本洋画の発展に大きな意義を持つことになります。
パリで制作されたこの作品には、柔らかな光の中での婦人の表情に、コルモンのもとで学んだ人物表現の成果が表われています。
その他のコレクション -藤島武二-
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