伝・藤原行成Attributed to FUJIWARA no Yukinari
亀山切
- 11世紀後半(平安時代)
紙本墨書、軸
21.7×15.2cm
『古今和歌集』を書写したこの書跡は、丹波国亀山(現在の京都府亀岡市)の藩主・松平家に伝来したため「亀山切」と付けられました。藤原行成(972-1028)筆として伝えられてきましたが、現在は、より時代の下がった11世紀後半のものと考えられています。
ここでは、『古今和歌集 巻一 春歌上』のなかに収められた凡河内躬恒と伊勢(藤原継蔭の娘)の歌が書かれています。春に北の国に移っていく雁に託した思いを歌っています。流れるように優美な筆跡は、優雅で気品に満ちています。