高村光太郎TAKAMURA Kotaro1883-1956
鯰
- 1931(昭和 6)
木
42.0×13.0×h.7.0cm
詩集『智恵子抄』の作者として名高い高村光太郎は、彫刻家、詩人、評論家として多方面で活躍しました。とりわけ彫刻では、ロダンに学んだ近代彫刻理論と父で著名な木彫家・高村光雲から受け継いだ日本の伝統的感性が、蝉や小鳥など日常的な主題の木彫小品において見事に融合し、詩的感性に満ちた小動物がいくつも生まれました。
木彫の代表作である《鯰》は、全部で3点制作されました。本作品は最後に作られたものです。鯰特有のぬめりのある肌あいが見事に表現され、あたかもそこで泳いでいるかのようです。光太郎の並はずれた表現力が存分に感じられる逸品です。