マリノ・マリーニMarino MARINI1901-1980
馬と騎手(街の守護神)
- 1949
木、彩色
106.0×171.0×h.180.0cm
ぴんと腕を伸ばし天を仰ぎ見る騎手と、まっすぐに首を突き出した馬。騎手と馬は十字に交差し、緊張感が生まれています。一方で、それぞれが安定感のある形体で大らかに彩色された木彫であるため、どこか温かみをも感じさせます。
この作品は、第二次大戦終結からまもない頃に制作されました。敗戦国となった祖国イタリアの復興と人類の平和を願うマリーニの気持ちがこめられています。頭上に光輪を持つ天使のような姿で表された騎手はその証でしょう。
ヨーロッパの街では、広場に英雄を称えた騎馬像をよく目にします。マリーニは、この伝統的な題材を現代的な感覚でとらえ直し、ライフワークとして作りつづけました。1935年頃から始められた騎馬像の連作では、現代人の普遍的な姿が表現されています。