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人の心を動かす名画。そんな名画とともにメナード美術館で至福の時間を過ごしませんか?
本展では、1400点余りの所蔵品から、西洋絵画、日本画、日本洋画を中心に当館の代表作およそ90点の作品を選び出しました。さらに、点描で新たな表現様式を確立した新印象派の画家、アンリ=エドモン・クロス《木陰のある浜辺》と、ジョルジュ・スーラ《働く農夫》をコレクションより初公開します。
本展は、改修工事による約3カ月休館前の展覧会となります。この機会をお見逃しのないよう、メナードコレクションのとっておきの名画との出会いをどうぞお楽しみください。
会期中、2回(あわせて約30点)の展示替えをはさみ、以下の日程で開催いたします。
Ⅰ期:2016年10月1日(土)-11月11日(金)
Ⅱ期:2016年11月12日(土)-12月23日(金)
Ⅲ期:2017年1月2日(月)-29日(日)
メナード美術館 初公開コレクション
アンリ=エドモン・クロス
《木陰のある浜辺》
制作年:1902
形質:画布、油彩 サイズ:113.8×146.3㎝
北フランス生まれのクロスは、1884年のアンデパンダン展創設に携わり、新印象派のスーラやシニャックと親交を結びます。しかし新印象派の点描画を本格的に始めるのは1891年から。徐々に点描の点を大きくし、モザイクのような正確な点描と鮮やかな色彩を用いた独自の表現を確立しました。
1895年頃から牧歌的なユートピアのような作品を描くようになり、その頂点ともいえるのが本作です。地中海沿岸の風景と思われる本作について、自分の様式が成熟したことを示す重要な作品だと友人への手紙に書きました。水浴という西洋の伝統的な主題を用いて、明確な色彩と大きめの点で光に満ちたユートピアが表されています。
全期展示
ジョルジュ・スーラ
《働く農夫》
制作年:1882~83
形質:板、油彩 サイズ:15.6×25.0㎝
19世紀後半のフランスで点描表現を創始したジョルジュ・スーラ。1882年頃から、元はシガーボックスの蓋だった小さな板に油彩画を多く残しました。
この作品もそうした作品と同サイズの板に、畑仕事を行う農夫が描かれています。畑の水平線に対し、農夫と背景の木々、白い袋など垂直線のフォルムを並置し、さまざまな方向へ向かう粗いタッチが角ばった羽根を重ねたような繊細な絵肌を作っています。スーラが農民をテーマにしたのはこの時期だけでしたが、すでに画家特有の構図やタッチがみてとれ、彼の点描形成の重要な時期に描かれた作品といえます。
全期展示
話題のコレクション
葛飾応為
《夜桜美人図》
制作年:19世紀中頃(江戸時代後期)
形質:絹本彩色 サイズ:88.8×34.5㎝
満天の星空のもと、短冊に和歌をしたためる若い娘。二つの燈籠が、彼女の白い面差しや着物の朱を浮かびあがらせています。昨年、今年とテレビ番組でも紹介され、一つ一つの星の光を描き分けるほどの表現力に注目が集まりました。
作者の葛飾応為は天才浮世絵師・北斎の娘であり、「美人画ではかなわない」と父に言わせた腕で北斎の助手をつとめました。洋風表現を研究した北斎のように応為も西洋の明暗表現を応用した作品を残しています。現存する作品が少ないなか、本作は応為の光と影へのこだわりが存分に楽しめる貴重な作品です。
Ⅲ期のみ展示
※ 出品作品は都合により変更の生じる場合があります