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美術と音楽は古代より深く結び付いてきました。人々が楽器を演奏したり、歌ったりする様子は数多くの作品に描かれてきました。また、音楽活動を行う場面でなくとも、「音」を感じさせてくれる作品も多く存在します。そうした作品は、楽器の音色、クラシックのような純粋な音楽だけでなく、自然の音や都会の音などの生活音、そして心躍る音、喜びの音、洒落た旋律など、さまざまな色と表情をともない、見る人に「音」を届けてくれます。
本展では、こうした「音」の世界を感じる作品をコレクションから集めます。一年のはじまりにさまざまな「音」を感じ、軽やかな気持ちで2015年を迎えていただければと思います。
展示構成
Ⅰ 音が聞こえる色の世界
お正月気分を高める和な雰囲気、幸せそうな男女の姿、楽器を演奏する人々、街中の喧騒…こうしたさまざまな人間の営みからはどういった「音」が感じられるでしょうか。
あるいは、リズムよく並んだカラフルな色彩からはどのような「音」が生まれてくるでしょうか。
人間の営みをさまざまな色で表現した作品の数々。そこから感じられる心地よい「音」の世界に身をゆだねてみることで、その新たな魅力に気づくかもしれません。
- ジェームズ・アンソール
《オルガンに向かうアンソール》1933
Ⅱ 春の足音
音には、楽器や人々の出す「音」だけでなく、目で見て季節を感じさせる類の「音」もあります。
雪どけの川や草花の芽吹きなどの情景は、実際の音が聞こえてこなくとも、われわれの心の中に春の足音を感じさせてくれます。
ここでは、こうした「新春」あるいは「春」の情景が描かれた日本画を集めました。
春の待ち遠しいこの季節にぴったりな作品をご覧いただき、春の訪れを目で感じ、その「音」を想像していただければと思います。
- 小茂田青樹《春望》1927
Ⅲ 耳をすませば
霧の立つ深山に広がる静寂さや、川のせせらぎ、海の波しぶきなどの力強い水の音。あるいは、猫や鳥の鳴き声や草むらにひそむ虫の気配など、たくましく生きる小動物たちが発する音。自然には実にさまざまな「音」があふれています。
ここでは、こうした「自然」からの音が感じられる作品を集めました。
ふと、耳をすませば聞こえてくる「音」を感じ、その奥に広がる自然の光景を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
- 加山又造 《音》1972
メナード美術館 初公開コレクション
三沢厚彦
《Animal 2011-04》
制作年:2011
木、彩色 4.0×10.0×25.0㎝
草むらや庭先に身を潜めているヤモリ。キョロッとした目が特徴です。耳をすませば、その息づかいが聞こえてくるかもしれません。
ぜひ、どこにいるのか展示室で探してみてください。
三沢厚彦 … 動物をモティーフとしたクスノキの木彫「Animals」シリーズで高い評価を得ている現代彫刻家。実物大の動物たちのユーモラスな表情が人気です。
※ 出品作品は都合により変更の生じる場合があります。