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「春」は「新春」や「人生の春」など、人間の営みのなかでなにかの始まりを意味したり、幸福感やハッピーな気分と結びついています。
そこで本展では、2014年を迎えるにあたり、季節の「春」や恋人たちの「春」をテーマにしたもの、お正月らしいモティーフや干支である馬を描いたもの、さらに春の色であるピンクが印象的なものなどを所蔵作品から約60点集めました。
明るく穏やかな雰囲気で新年をスタートさせ、ぜひ「春」に「恋する」イメージを感じてください。
展示構成
Ⅰ 季節の春
- 小林古径 《淡紅》1935
- 前田青邨 《紅白梅》1960
- 速水御舟 《春雪》1929
- 伊東深水 《春雪》1953~58頃
- 吉田善彦 《斑鳩春宵》1983
- 熊谷守一 《蔵王》1960
- 島田鮎子 《春のこよみ》2007 ほか
- 田渕俊夫《春爛漫》2003
Ⅱ 新春
- ジョルジュ・ルオー 《サーカス(シュアレス版)》より 1930
- マリノ・マリー二 《マリノ・マリー二 オペラ・グラフィカ(版画作品)》より 1959~71/1972刊
- 川合玉堂 《松上双鶴図》1912
- 安田靫彦 《紅花白瓶》1958頃
- 海老原喜之助 《馬市》1967頃 ほか
- 横山大観《不二霊峰》1944頃
Ⅲ 人生の春
- ジャン=バティスト・グルーズ 《恋文》1770~93頃
- マルク・シャガール 《すみれ色の花》1943
- 橋本明治 《銀扇》1969
- 熊谷守一 《上向の裸》1953
- 中村彝《少女習作》1914(大正3)頃 ほか
- モーリス・ド二 《ダンス》1950頃
メナード美術館 初公開コレクション 2点
ピエール=オーギュスト・ルノワール
《読書する女》
制作年:1895 形質:画布、油彩 サイズ:55.0×45.8cm
印象派の画家ルノワールは、古い慣習にとらわれず生き生きとした若い女性の姿をよく描きました。なかでも読書する女性は画家が好んで描いた主題のひとつです。 この作品では、本に視線を落とした女性がルノワールらしい柔らかな表情で描かれています。とくに、ピンク色の頬とピンク色のブラウスがとても印象的で、彼女をかわいらしく演出しています。また、その横顔からは穏やかで幸せそうな様子が伝わってきます。生涯にわたり多くの女性を愛情をこめて描きだしたルノワールらしい作品です。
アレクサンダー・カルダー
《青と赤の上に黒い円盤と黄と渦巻き》
制作年:1960 形質:金属板、彩色・真鍮・針金
サイズ:40.0×40.0×32.0cm
動く彫刻「モビール」を発明したアメリカの現代彫刻家カルダー。パリで才能を磨き、ユーモアあふれる芸術性と卓越した造形センスによりそれまでになかった斬新な彫刻を生みだしました。面と曲線をダイナミックに組み合わせた床置きタイプのスタンディング・モビール、通称「スタビル」もカルダーの発明品です。 この作品もスタビルのひとつ。渦巻きをもった真鍮、黒と黄の装飾がついた針金が空気のかすかな流れにあわせヤジロベエのようにゆらりゆらりと動きます。赤、青、黄色の3原色に黒が入りぐっと引き締められた配色からは、カルダーの優れた色彩センスも感じられます。
Calder, one of the most prominent American sculptor of the 20th century, invented a new type of sculpture that incorporated motion. Calder cultivated his skills in Paris developing an artistic vision full of humor and an excellent plastic sense. He is celebrated for having created innovative sculptures that were a marked departure from anything that had been done before. Among his creations are standing mobiles combining surfaces and curves in a dynamic way, also known as Stabiles. The present work is one of those standing mobiles. Made of metal elements and brass wire that balance on a base, it slowly swings when blown by a stroke of breeze. By adding black to the three primary colors (blue, yellow, and red), Calder brings clearness into the standing mobile’s color scheme, proving to us his excellent color sense.