美しさにまごころこめて

日本メナード化粧品株式会社

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展覧会タイトル

視覚・空間の芸術である美術と聴覚・時間の芸術である音楽。対比される二つの芸術を愛し、音楽に憧れた画家は多くいます。
今回の展覧会は、額縁を絵画と我々をつなぐ窓枠に見立て、画中に流れる音楽に想いをめぐらせるものです。コレクションより初公開となるポール・ゴーギャン《椅子の上》に描かれたマンドリンをはじめ、描かれた楽器はどのような音楽を奏でたのか。また、画家たちのアトリエにはどのような音楽が流れていたのか。印象派とドビュッシー、ピカソとエリック・サティなど、いくつかの視点で美術と音楽を重ねてご覧いただきます。
美術作品を新たな視点で見つめるきっかけに、また美術と音楽の垣根を越え、広く芸術を楽しむきっかけとなれば幸いです。

※2/3に一部展示替を行います

展示構成額縁はイメージです

introduction 美術×音楽-島田鮎子

序奏(イントロダクション)として、美術と音楽の両方を友とした画家、島田鮎子(1934-)の作品をご紹介します。高校時代に絵の道に進むことを決めた島田ですが、その後もピアノに親しみ、ドビュッシー(1862-1918)などの音楽にふれました。身近なモティーフで構成される画面は、彼女と音楽の関係を思わせるように親密な印象を与えます。

島田鮎子《サティの曲が流れる部屋》
島田鮎子《サティの曲が流れる部屋》2006  
島田鮎子が愛用した
プレイエルの
アップライトピアノをあわせて展示!

♪プレイエルのピアノ

プレイエル社は、1807年フランスのパリに設立したピアノ・メーカーです。 そのピアノは、
ショパン(1810-1849)
が愛用したことで
知られます。


情景にきこえる音楽

画家自身が演奏した楽曲、アトリエに流れる調べ、時代に流行した音楽…。
この章では、画家と音楽、また時代と音楽の関わりを探りながら、額縁のむこうに流れていたであろう音楽に耳を澄まします。
画家たちがもつ音楽との接点を知れば、作品の中に刻まれるリズムや響く音がよりはっきりと聴こえてくるかもしれません。

モーリス・ドニ《ダンス》
モーリス・ドニ《ダンス》1905頃  
画家が残した言葉やエピソードには、額縁のむこうに流れる音楽のヒントが隠れているかも。

楽器とともに

絵画のモティーフとしてよく描かれた楽器。キュビスムの画家、ジョルジュ・ブラック(1882-1963)は「楽器は人が手を触れることで生命をもつ」と考えたと言います。額縁のむこうの音を聴くには、描かれた楽器に「眼でふれれば」よいということなのでしょう。
ここでは、実際に楽器が描かれた作品やその楽器を演奏した画家たちの作品を実物の楽器とともにご紹介します。

島田章三《楽器のある静物》
島田章三《楽器のある静物》1978  
実際の楽器をみれば、画家たちがその楽器を描いた理由がわかるかも。

ふたつのミューズが出会う部屋

音楽をはじめ芸術を司るギリシアの女神をミューズと言います。この中に美術は入っていませんでしたが、ミュージアム(Museum/博物館・美術館)の語源はやはりミューズだといいます。このふたつのミューズはときに重なり、ときに憧れ、そして補い合います。
最後の章では、ドビュッシーの印象派音楽をはじまりに、美術と音楽、ふたつのミューズが出会い生まれた作品についてご紹介します。

アンリ=エドモン・クロス《木陰のある浜辺》
アンリ=エドモン・クロス《木陰のある浜辺》1902  
ドビュッシー、ストラヴィンスキー、エリック・サティ… 美術と音楽はどこで、どのように出会うのか?

本展では、チェンバロやリュートなど普段なかなか見ることのできない古楽器なども名古屋音楽大学の協力のもと展示します。
画家たちが実際に所有していたものではありませんが、大きさや形を実際にご覧いただき、額縁のむこうの音楽に思いをめぐらせてみてください。

メナード美術館 初公開コレクション

ポール・ゴーギャン《椅子の上》

ポール・ゴーギャン
《椅子の上》

制作年:1880年
形質:油彩、カンヴァス
サイズ:47.3x31.2cm

実験的な色づかいや装飾的な構図でナビ派やフォーヴィスムといった画家たちに影響を与えたポスト印象主義の画家、ゴーギャン。ゴッホとの交友や楽園を求めてのタヒチへの渡航など劇的な人生を送りました。
しかし、彼が画家として生きていくことを決意したのは35歳と比較的遅く、それまでは働きながら絵を描いていました。本作はその3年ほど前に描かれた作品。マンドリンは、ゴーギャンがくり返し描いたモティーフで、後にタヒチへも持参しました。「音楽とマンドリンを持ってきてよかった。大いに気晴らしになる」とその愛着ぶりを手紙に綴ってもいます。

有元利夫《彷徨》

有元利夫
《彷徨》

制作年:1982年
形質:ミクストメディア、カンヴァス(板に貼付)
サイズ:65.2x53.0cm

35歳で若手画家の登竜門である安井賞を受賞し、将来を期待されるも、38歳という若さでこの世を去った画家、有元利夫。バロック音楽を好み、自らもリコーダーを演奏するなどした彼の作品には、しばしば音楽が描きこまれます。
本作は直接に音楽をテーマとした作品ではありませんが、風化したような画面に見られる重厚さ、画家が「女神」とよんだ中性的な人物像のゆったりとした振る舞いに見られる優雅さ、女神の手から降りそそぐ光のきらめきには、バロック音楽の優雅ながら、どこか緊張感ある和音の響きが想像されます。

※ 展示内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。

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