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時間があれば、見知らぬ土地を旅する人は古今東西、数多くいます。
新しいものを見て、美味しいものを食べ、ステキな思い出を作る…人はさまざまな期待を胸に旅に出ます。そして旅先では、いつもより愉快になったり感傷にひたったり思慮深くなったりします。それは「旅」が非日常を演出し高揚感を高めたり、過去の記憶を呼び覚ましたりするからでしょうか。
本展では、世界各地を旅した気分を追体験できるような作品をコレクションから約50点集めます。
ヨーロッパ、アメリカ、アジア、日本…そして理想郷まで、さまざまな地域や場所が描かれた作品をご覧いただく内容です。
さあ、「ステキな旅」の始まりです!
特別出品作品
本展では、当館のコレクションに加え、次の3作品を作家からお借りして特別に展示します。
田渕俊夫
《薬師寺食堂壁画より「遣唐使船」》
制作年:2015
形質:紙本彩色 サイズ:300.0×350.0㎝
薬師寺「食堂」は奈良時代前半に建てられましたが焼失し、その後再建されるもまた失い、現存しません。
そして現在、これが最後の再建といわれる工事が進められています。
日本画家・田渕俊夫が、この食堂壁画「仏教文化伝来と薬師寺縁起大壁画」(長さ44m)を手がけており、そのうち「遣唐使船」をお借りし、奉納(2017年春予定)に先駆けてご紹介いたします。
山本正英
《ヨークミンスター》
制作年:2015
形質:画布、油彩 サイズ:91.0×117.0㎝
25年以上にわたり英国を訪れ、その風景を油彩画にしてきた山本正英。歴史ある重厚な建物と自然の情景がつくり出す「英国風景」を、堅実なタッチと抑制の効いた色調で描きつづけています。日々刻々と表情を変えるその地は多彩で興味がつきない、と語る山本の作品には、その場の空気をも閉じ込めたような趣があり、静寂であるものの確かな存在感を感じさせます。
この作品では北ヨーロッパ最大級の大聖堂ヨークミンスターが描かれています。前景に石造りや赤れんがの建物を配し、大聖堂を遠望させることで、堅牢な建物が重なり合う重厚な風景となっています。
鳥羽美花
《オリエンタルドリーム》
制作年:1998
形質:型染、三曲屏風 サイズ:123.0×504.0㎝
日本独自の伝統的な「
型染とは、型紙を用いて図柄以外の余白部分を切り落とし、その空間を糊で防染することで染料をコントロールし、図柄を創り出していく技法です。やり直しのきかない18ほどの工程を経て生まれる作品はエネルギーに満ち満ちています。
この作品もベトナムのハノイでの取材によるもの。原色使いで繰り返される鳥籠モティーフが異国情緒漂う夢の世界へと誘います。
メナード美術館 初公開コレクション
モーリス・ユトリロ
《教会》
制作年:1913
形質:紙、油彩 サイズ:55.2×38.1㎝
お針子やモデル、画家でもあったヴァラドンの私生児としてパリに生まれたユトリロ。10代でアルコール依存症に陥った際、医師の勧めもあり独学で絵を始め、すぐに白が基調の詩的な画面でモンマルトルの街並みを描くようになります。この「白の時代」で画家としての絶頂期を迎えました。
本作もこの時期のもの。南仏アヴェロンにあるサント=ジュヌヴィエーブ教会とおぼしき白い教会は、簡素なつくりながらも趣があり、重ねられた絵具のマティエールによって独特の輝きを放っています。静かな中に人々の営みが感じられる抒情豊かな作品です。
みてねこふたたび
「みてねこ」 は、一昨年に開催した「きて・みて・はっけん」展を前に、メナード美術館にやってきた、さすらいのねこです。
「きて・みて・はっけん」展の鑑賞サポーターとして働き、展示室のパネルやfacebookなどに登場し、グッズの「みてねこ 湯上りタオル」もつくられるなど、皆から「みてねこ」と呼ばれてかわいがられていました。しかし、その展覧会の終わりと同時に姿を消していたのですが…最近、みてねこの鳴き(歌)声が、ある作品の中から聞こえてくるのです。
※ 展示内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。